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和歌山・田辺で「さようなら紀伊田辺駅」 新駅舎は来春完成へ

駅舎の絵に色付けする参加者たち

駅舎の絵に色付けする参加者たち

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 アート駅舎と町を巡る「紀の国トレイナート2018」のクロージングイベント「さようなら紀伊田辺駅」が9月24日、紀伊田辺駅で行われた。

まもなく建て替えられる紀伊田辺駅

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 地震や津波による浸水に備えて建て替え工事を行う木造駅舎に、別れと感謝の気持ちを伝えようと市民が企画した。駅舎壁画に彩色するワークショップやまち歩き、ビックバンドジャズライブなどが行われた。

 1932(昭和7)年に開業し、特急「くろしお」を含む全ての定期列車が停車する市の主要な駅。2017年度の1日あたりの乗降者数は約2800人。駅周辺には、居酒屋やスナックなどが並ぶ飲食街の「味光路(あじこうじ)」や、2016年10月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録された鬪けい神社(東陽)などがある。

 2015年に同駅舎壁面に絵を制作した「S+N laboratory」の榊貴美さんは「この絵は役目を終えていく駅舎を舞台に見立て、訪れた人が役者になり、熊野の植物や動物などの自然に包まれていく様子を描いた。制作した時に、間もなく建て替えになると聞いていたが、この絵を喜ぶ言葉をもらえて良かった。今回また一緒に色付けをできてうれしい」と話す。

 駅前広場で行われたライブには、住民や駅利用者のほか、タクシー運転手やビル店舗の従業員も足を止め演奏を楽しんだ。

 近くに住む男性は「子どもの頃、駅は遊び場だった。車両の方向を変える転車台や、郵便や牛を乗せる列車があったのを今でも覚えている。物流や人の流れが変わってしまった今も、駅が人の集まる場所であってほしい。取り壊されるのはさみしいが、新しい駅舎を見られるのはうれしい」と話す。

 新駅舎は2019年春ごろ完成予定。

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