学ぶ・知る

和歌山大で「防災」テーマに公開講義-学生団体が企画

  • 0

  •  

 和歌山大学(和歌山市栄谷)で4月22日、特別講義「ポスト3.11の思考と前進」が始まる。主催は和歌山大学生による被災地支援団体「FORWARD(フォワード)」と同大学防災研究教育センター。

ボランティアバスで訪れた被災地で

[広告]

 同団体は2011年7月、大学院生2人と学部生1人(当時)が設立。東日本大震災後、毎年実施している「和歌山大学東日本大震災ボランディアバスプロジェクト」の企画・運営を行う。そのほか、同年9月に起こった台風12号による紀伊半島大水害の被災地ボランティアや、水害により傷んでしまった写真をデジタル化して持ち主に返却するプロジェクトなどの被災地支援を行ってきた。現在会員は29人。

 第1回のテーマは「私たちはどんな時代を生きているのか」。観光学部の山田良治さん、教養の森センターの天野雅郎さん、経済学部の足立基浩さんを講師に迎え、60代、50代、40代それぞれが生きた学生時代を聞く。司会は現NHK和歌山放送局アナウンサーで、東日本大震災の直後から被災地で取材や中継を担当してきた今城和久さん。

 講義は1年を通じて月1回程度のペースで開き、2回目以降は各地ボランティア団体や行政の防災担当者や地域の報道機関関係者を講師に招く意向。特別講義開催のきっかけは、FORWARADがこれまでの活動を通じて「今後、自分たちは何をしていけばよいのか考えるためにもっと学びたい」と考えたことだという。

 「2011年から毎年実施しているボランティアバスに3年間参加したが、分かったことはこれから自分たちが何をしていけばいいのかが『わからない』ことだった」と話すのは、FORWARD代表で観光学部4回生の中村勇太朗さん。「過去の災害から学び、来るべき災害に備えるためにはより多くの人の力が必要。日常生活の延長として、もっと地域の人たちと対話を重ね、考え、議論したい」とも。

 防災研究教育センター長の此松昌彦さんは「教員も一緒に悩みながらこの講義をつくっている。地域の人たちの協力で面白い内容になりそう。将来的には大学の教養科目の一つとして、より多くの学生たちが『考える場』をつくりたい」と話す。

 開催時間は13時~14時40分。参加無料。定員50人で事前申し込み不要。講義は収録され、後日NHK-FMで放送予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース