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「紀州いぐさプロジェクト」が「せった」ネット販売へ 48色のバリエーション展開

イグサ畑の前で「イノカセッタ」を手にする井戸さん

イグサ畑の前で「イノカセッタ」を手にする井戸さん

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 白浜町の井戸畳店(西牟婁郡白浜町)が現在、イグサで作ったせった「inoca SETTA(イノカセッタ)」の予約販売を行っている。

48色のカラーバリエーションがあるカラフルなせった

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 同製品は、地元産のイグサを使って畳表を製造し、履物の産地の三郷町(奈良県)の職人が仕上げたもの。商品名の「イノカ」は「イグサの香りをくらしに」との意味を込めた。

 同社社長の井戸宏和さんは、国内のイグサ農家が減少していることから、畳の地産地消を目指し、熊本県のイグサ農家指導の下、2014(平成26)年からイグサの栽培を始めた。2018(平成30)年には「The IGUSA Project KISHU(紀州いぐさプロジェクト)」を発足。同プロジェクトに参加する寺田農園が、イグサの栽培から畳表製造までを行う過程で、長さの足りないイグサを生かし、同製品を企画した。

 価格は、男性用=1万2,800円、女性用=1万1,800円、28センチ以上に対応するOVERSEAS=1万4,800円の3種類。鼻緒の表地と縁は12色、鼻緒の裏地は4色から選べ、組み合わせて合計48色をラインアップする。男性にはぬれ羽と深緑、女性には葡萄(えび)とぬれ羽が人気という。同じくイグサで作ったカードケース「inoca CASE(イノカケース)」(5,800円)も販売し、12色の縁色と4色のボタンを組み合わせた48色を展開する。

 井戸さんは「畳は湿気を吸収し、乾燥したら放出するので、さらっと涼しい肌触りが夏にぴったり。グループでおそろいにしたり、花火大会の浴衣やデニムに合わせたり、好みに合わせて履いてほしい。せったも畳も足で触れるものなので、肌触りのよさを実感してもらえれば」と話す。「この取り組みが、次世代のイグサ農家のヒントになればうれしい。畳が作れるほど長さのあるイグサを栽培することは難しいが、全国各地で地産地消の畳作りに取り組む人が増えれば」とも。

 同プロジェクトでは5月15日まで、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で応援購入者を募集している。同社オンラインストアでの販売は6月15日から。

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