マスクの着用が困難なことを周囲に知らせる「意思表示カード」の交付が8月30日、和歌山県内で始まった。
対象は、県内在住か通勤・通学する発達障がいや感覚過敏、呼吸器機能障がいなどの理由でマスクの着用が困難な人。新型コロナウイルス感染拡大の中、県の障害福祉課が県民から寄せられた「周囲から冷ややかな目で見られたり、心無い批判を受けたりする」などの相談をきっかけに製作した。
カードは名刺サイズの紙製で、首から掛けるカードホルダーに入れて交付。県のマスコットキャラクター「きいちゃん」が「マスクをつけられません。ご理解ください」と書かれたサインを持ったイラストを描き、左上に交付場所の印鑑を押す。
同課の花田直也班長は「交付を始めた直後から多数問い合わせをいただいている。本人以外からの申請でも受け付ける」と話す。「マスク着用が困難な人は外見から分かりにくい。このカードをきっかけに、マスクを着けられない理由を知ったり理解したりする人が増えれば」とも。
交付は1人1枚。交付場所は、和歌山県の障害福祉課と各振興局健康福祉部、東牟婁振興局健康福祉部串本支所。郵送でも受け付ける。