今月30日に閉館する和歌山市民会館(和歌山市伝法橋南ノ丁)で9月16日、「ありがとう和歌山市民会館 館内愛ツアー」が行われた。主催はビンボープロジェクト。
同会館は、1979(昭和54)年に開館。南海和歌山市駅から徒歩5分の立地で、近年は年間で約40の自主企画を含む、多くの催事を開催していた。コンサートや映画上映、落語、ピアノ発表会など、文化活動の拠点として親しまれてきたが、今月30日に閉館。11月23日、後継となる新施設の和歌山城ホール(和歌山市七番丁)が利用可能になる。
当日は、18人が参加し同館を管理する公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団の中西博久さんの案内で館内を見学。大ホール、小ホール、元売店前、リハーサル室、3階の会議室や空中庭園、4階の和室などを回った。大ホールのどんちょうの刺しゅうには参加者から「豪華」「貴重」などの声が上がった。中西さんから「洋式の公演用と和式の公演用にどんちょうは2種ある」と説明を受けた参加者は、「丸正百貨店」「ナショナルビデオ」など当時の和歌山にゆかりのある企業名の入ったどんちょうを写真に収めていた。「色調を、大ホールは赤で、小ホールは緑で統一している」などといった説明も受けた。
市内在住の40代女性は「幼少の頃、母親が子ども劇に連れてきてくれたことや小学生で合唱に出たときの舞台裏を思い出し、なくなるならもう一度見たいと参加した。成人式のときエントランスの赤い丸型ソファで写真を撮ったことを思い出した」と話していた。
中西さんは「皆さんがこんなに興味を持ち、熱心に見学してくれたことに感動した。ロビーコンサートに協力いただくなど、地域の皆さんと企画を生み出して、一緒に作ってきた。和歌山城ホールでも、これまでような関係を作っていきたい。市民の文化の拠点として、和歌山発の文化を作っていけたら」と話す。
※和歌山城ホールの利用開始日を訂正しました。(2021/10/29 18時)