ブドウサンショウの収穫が現在、有田川町の清水地域で行われている。

定番のつくだ煮やちりめんさんしょうに使われる実ざんしょう

　同町はサンショウの生産量が全国一。天保時代に同地域で発見された品種・ブドウサンショウを中心に栽培する。同種はその名の通りブドウの房のように緑色の実を付ける。

　サンショウは、収穫時期で用途が異なる。4月下旬に数日間のみ収穫できる花さんしょうは、酢の物やつくだ煮に加工されるほか、和食店やフランス料理店で付け合わせなどに使われる。5月中旬から収穫できる実は実ざんしょうと呼び、ちりめんさんしょうなどに使われる。7月上旬から収穫する実は乾燥さんしょう。乾燥させ、粉末にして七味唐辛子の原料やウナギのかば焼きの薬味などに使われる。

　同町でサンショウを栽培する新田清信さんは「実ざんしょうはつくだ煮やちりめんさんしょうが定番だが、フランス料理店やクラフトビール醸造所からも引き合いがあり、用途が広がっている。海外からも和のスパイスとして注目度が高まっている。ぜひさまざまな料理に使ってほしい」と話す。