2021年1月に閉店したドライブイン「古道歩きの里ちかつゆ」(田辺市中辺路町近露)が8月30日、リニューアルし営業再開した。経営は「リゾートシェア」(白浜町)。
国道311号線沿いの同施設は、飲食店や物販店、オートキャンプ場、日置川を一望するテラス席などを備える。リニューアル後は約100台の駐車場を整備し、マイカー需要に対応するほか、サイクルスタンドを設置し、自転車客のニーズにも応える。
同施設は2010(平成22)年3月に南海電鉄(大阪市)が開業。グループ会社「熊野観光開発」(新宮市)が運営したが、利用者数の減少と新型コロナウイルス感染拡大のため閉店。リゾートシェアが運営を引き継いだ。
店舗は、とろろと地産の魚料理を提供する和食店「とろろや」、紀州備長炭で焼いた餅や団子を提供する菓子店「もちや」、パン店「KEY BAKERY(キーベーカリー)」、地元木材から作るオリジナルアロマオイルなどを販売する物産店「KEY SHOP(キーショップ)」など。店舗総床面積は850平方メートル。
リゾートシェア広報担当者の長野健一さんによれば、オープンから9日間で約2600人が訪れたという。9月11日にはオープニングイベントを開催。「地域の自然の魅力」をテーマに「エムアファブリー」(新宮市)が熊野杉などを使い、蒸留水製造やまきサウナ体験を実施した。
長野さんは「熊野古道中辺路の中間地点に位置する当施設は、いよいよ本宮へ向けて歩みを進める旅人が一休みして精をつける、峠の茶屋の役割を担ってきた。訪れる人に憩いとくつろぎを与える場になるよう企画した」と話す。「地域住民からオープンを待ち望んでいたという声があった。旅行者だけでなく地元の人も気軽に立ち寄り、人が集まる場として、地域を盛り上げたい」と意気込む。
大阪から訪問した男性は「閉店後はこの辺りも人が減り、さみしかったが今日は車が多くて驚いた。リニューアルして活気にあふれている」と笑顔を見せる。