鈴木姓発祥の地とされる海南市の藤白神社境内(海南市藤白)で4月1日、復元された「鈴木屋敷」の一般公開が始まった。
鈴木屋敷は、熊野地方で神職を務めた鈴木一族が平安末期に住んだとされる建物。一族が熊野信仰を全国に伝え、鈴木姓も広がったと考えられている。
同建物は1942(昭和17)年まで鈴木家の子孫が住んでいたが、122代目が亡くなり、空き家となっていた。同神社の一部が2015(平成27)年に国史跡に指定されたことを機に、海南市が復元計画に着手。クラウドファンディングやふるさと納税などで寄付を募ったほか、全国の「鈴木さん」からの支援、自動車メーカーの「スズキ」(静岡県)など企業からも支援を受け、約8,500万円を集め、2021年度から工事を始めた。
総工費は約1億9,000万円。屋敷は木造本瓦ぶき4棟。面積は約136平方メートル。江戸時代の資料「紀伊国名所図会」などを参考に、柱や瓦などの古材を再利用した。池を中心とした池泉庭園と前庭も整備した。
3月30日に屋敷前庭で行われた神事には、鈴木屋敷復元の会や関東藤白鈴木会など関係者約50人が出席。鈴木一族にゆかりのある雑賀鉄砲衆が祝砲を鳴らした。藤白神社の宮司・西岡良徳さんが「海南市の観光や文化の拠点としたい」とあいさつした。海南保健福祉センターで開かれた式典では、「スズキ」相談役の鈴木修さんが「鈴木一族の一人としてうれしい。これからも鈴木の名に恥じぬよう努めていく」とあいさつ。関東藤白鈴木会の鈴木久元会長は「全国の鈴木を代表して礼を言いたい。これから多くの鈴木さんに海南市に来てもらい、第8回鈴木サミットを開催したい」と意気込む。そのほか、神出政巳海南市長や岸本周平和歌山県知事、二階俊博衆議院議員などが祝辞を述べた。
開館は10時~16時、月曜・火曜休館(祝日を除く)。拝観料300円。