「エフエム和歌山」(和歌山市塩屋)のスタジオ付き衛星インターネット中継車「COMET STUDIO(コメットスタジオ)」が7月17日、片男波海水浴場(和歌浦南3)でお披露目された。
同車の名前の由来は「コメット(彗星)のように現れるスタジオ」。イベント会場からの実況中継、災害現場からの情報発信を目的に導入した。車内放送席の2人が移動先から放送できる。スタジオ機能を持つことで、スタッフが同行すれば現地から通常スタジオと同じオンエアが可能。
昨年10月、日本で提供が始まったスペース X 社の衛星通信サービス「スターリンク」を導入したことで、空が開けていればケーブルや基地局にとらわれず通信できるため、携帯電話が使えない地域や状況でも放送が可能になる。
エフエム和歌山理事長の山口昭昌さんは「私たちが知る限り、スタジオ機能を備えた中継車の運用は全国でも初めて。これまで災害対策では、少人数で、しかもインターネット断絶時にどう情報を発信するかで検討を重ねてきた。この移動中継車が一つの答え。和歌山市民の情報コミュニケーションの発展につながれば」と話す。
当日の放送を担当した同局パーソナリティーの宇和千夏さんは「窓が広くて開放的で、とても快適に、問題なく番組を放送できた。リスナーから寄せられるメッセージも受信でき、局内のスタジオと同じ音楽がかけられる。全く同じ番組が移動車からできるのはすごい」と笑顔を見せた。
今後の予定は、8月9日に紀三井寺(和歌山市)から「千日詣」の中継を行う。