企画展「しはくどうぶつえん」が7月19日、和歌山市立博物館(和歌山市湊本町、TEL 073-423-0003)で始まった。
同館の収蔵品から、動物をかたどったり描いたりした資料を選び、子どもたちに楽しく歴史や和歌山のことを学んでもらおうと企画した。展示数は、美術工芸品約100点、郷土玩具約200点。
会場は「鳥の楽園」「しはく牧場」「どうぶつえん」「すいぞくかん」「あやしいいきもの」「全国の郷土玩具」の6テーマで構成する。「鳥の楽園」では、ツルやタカなどの縁起物ほか、ハトやオシドリなどを描いた掛け軸やびょうぶ、ふすま絵などを紹介する。「どうぶつえん」では、オランウータンを記録した資料の写し、ゾウを観賞する催しを知らせる瓦版などを展示。「すいぞくかん」では和歌山の本草学者・山瀬春政が描いた日本初のクジラの専門書やかつて和歌山の近海に生息していたアシカを描いた作品などを紹介する。「あやしいいきもの」では、大蛇や百鬼夜行、カッパなど空想の生き物や妖怪を描いた作品を展示する。
学芸員の山下奈津子さんは「さまざまな作品で、動物の姿が描かれたり形づくられたりするのは、いつの時代も人が動物に興味や関心を持ってきたということ。動物を通じて人の営みの歴史にも思いをはせてほしい」と話す。「今回展示する画家・川端龍子の作品や妖怪を描いた作品などは、普段はなかなか展示する機会がなかった。難しいことを気にせず、動物のかわいらしさに触れてもらえたら」とも。
開催時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。月曜休催。同博物館の入館料は100円(高校生以下無料)。9月3日まで。