企画展「明恵上人生誕850年」が8月15日、有田川町地域交流センター(有田川町下津野)で始まった。主催は有田川町。
湯浅町西白上遺跡の明恵紀州遺跡率塔婆(写真提供=有田川町教育委員会)
明恵は鎌倉時代を代表する高僧。生誕850年を記念し、同僧にまつわる文化財や写真を展示する。会期中、記念講演「明恵上人 清らかに生きる」や「明恵上人を深く知る連続講演会」全3回、史跡探訪会などのイベントも開く。連続講演会は、3つのテーマ、40年間に渡り記録した夢、広めた茶、詠んだ和歌、それぞれに着目し、事績と魅力を伝える。
同僧は1173(承安3)年、現在の有田川町に生まれた。8歳で両親を亡くし、9歳で京都・神護寺に入り、16歳で出家。仁和寺や東大寺などで学問と修行を積み重ね、鳥獣戯画が伝わる高山寺を開いた。後鳥羽上皇や北条泰時をはじめ、多くの人々が帰依したという。
「明恵上人は、僧としての業績に留まらず、多角的な魅力を持つ人物。当時の常識を超え、インド行きを計画したり、女性でも悟りを開けると説いたり、身寄りのない人たちの救済に取り組んだりした。現代的な多様性という視点でも興味深い」と有田川町の学芸員・川口修実さん。「この機会に、より多くの人に明恵上人の魅力と当地域のことを知ってもらえれば」と呼びかける。
同交流センターの開館時間は、10時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。入館無料。10月11日まで。