道の駅「海南サクアス」(海南市下津町小南)が9月2日、オープンした。
県内36番目、海南市初の道の駅。名称は公募し、1152件の中から「さかな、くだもの、あそび」の頭文字と多くの人が集まる「巣」、明るい未来をイメージする「咲く明日」と付けられた。
敷地内には、産直品販売や飲食店が並ぶ地域振興施設のほか、地域や道路情報を発信する情報提供施設、芝生広場などを設ける。駐車場は、大型自動車20台を含む152台。女性用トイレ17基、男性用11基、バリアフリートイレや子ども用トイレも備える。災害時は避難場所になる。ダンボールベッドなどの防災備蓄品、防災トイレ5基と500人分のタンク、停電時にも72時間稼働する発動発電設備がある。
当日は、スタッフと海南市PRキャラクター「海ニャン」が来場者を出迎えた。施設内「産直マルシェ」では、農家直送の野菜や果物をはじめ、地酒や加工食品、地場産業のシュロ製品や漆器、ニット製品などを取り扱う。市内5カ所の漁港から海産物を直送する「魚盛水産」には、カニやタイ、ハモなどが並べられ、にぎわいを見せた。「SHIMOTSU FURUITS(シモツフルーツ)」では旬の果物を使ったケーキ類やソフトクリームを求め、行列ができた。
開駅式典に出席した岸本周平和歌山県知事は「利用者への心遣いの行き届いた施設。県の目玉として発展してほしい」と期待を寄せる。神出政巳海南市長は「にぎわい創出の拠点として、物産の紹介・販売に加え、長保寺や鈴木屋敷など近隣の観光資源の活性化にもつなげたい。今年6月の豪雨災害の教訓を踏まえ、防災拠点としても利活用していく」と話す。
1人目の来場者は魚介類と生花を求めて訪れた有田市在住の女性。「近隣になかった施設なので楽しみにしていた。じっくり見て回りたい」と笑顔を見せていた。
年中無休。地域振興施設の営業時間は9時~17時。