作家・有吉佐和子さんの所有する書籍が1月12日、長女・玉青さんから和歌山市に寄贈された。寄贈書籍は1月20日から和歌山市民図書館で一般公開を行う。
寄贈したのは、有吉さんが執筆に使った書籍や親交のあった作家からのサイン入り書籍などを含む3892冊。市は、2005(平成17)年に初めて約1600冊の蔵書の寄贈を受け、和歌山市民図書館に「有吉佐和子文庫」を開設。今回寄贈された書籍などは、一部はガラスケースに入れて展示し、残りは配架する。
有吉佐和子さんは1931(昭和6)年和歌山市生まれ。1956(昭和31)年に「地唄」が芥川賞候補と文学界新人賞に選ばれ文壇デビューした。「紀ノ川」「有田川」「日高川」「華岡青洲の妻」など、和歌山を舞台にした小説や戯曲、古典、歴史を扱った作品を生み出した。1984(昭和59)年にこの世を去った。
玉青さんは「今回は母が執筆に使った本のほか、好きだった野球の本、私が生まれる前に読んだ育児書なども寄贈した。母の作家以外の部分も見てもらえる」と話す。「たくさんの本を受け入れてもらえてうれしい。本は利用してこそ価値があるので、母の研究をする人だけでなく、たくさんの市民の皆さんに手に取ってもらえたら」とも。