登山家で動画配信者の「麻莉亜(マリア)」さんが1月8日、熊野古道を歩く様子を動画サイトで公開した。
和歌山県が熊野古道の観光誘致を目的にした同企画。駅を起点に日帰りで楽しめる「和歌山県街道マップ」と王子や街道沿いの施設でスタンプを集める「熊野古道紀伊路押印帳」の2つを用い、4泊5日で麻莉亜さんがカメラを手に歩く。
麻莉亜さんは動画サイト「ユーチューブ」上でチャンネル「MARiA麻莉亜」を運営。登山や旅をテーマに北アルプスや白馬岳、ヨーロッパのモンブランなど、世界の山々を単独で登る180本超の動画を公開し、チャンネル登録者数は18万人を超える。
熊野古道の動画は、天満橋(大阪府)から田辺市までをつなぐ「紀伊路」を歩く2部構成。前編は、山中渓駅(大阪府)を出発し、湯浅町までを歩く。海南市と湯浅町に宿泊し、道中では魚介料理やミカン狩りを楽しむ。麻莉亜さんは、海南市の市街地では「紀伊路のルートは昔の古い民家が残っている場所が多くて、街中を歩いていて面白い」とコメント。下津町では一面に広がるミカン畑に歓声を上げる。
観光振興課の鶴野尚樹さんは「コロナ禍のアウトドアブームを経て、自然や文化、歴史などを体験する『アドベンチャーツーリズム』が注目を集めている。その中でも宿泊しながら長距離を歩く『ロングトレイル』に着目した。紀伊路は、和歌山市、海南市、有田市など、峠を越えながら街を経由する。峠越えは苦しいが、道中、おいしい料理や果物、寺社参拝などを楽しめる」と話す。「動画公開後3日で、マップについて問い合わせがあるなど、手応えを感じている。熊野古道は平安時代から聖地巡礼の道としてたくさんの人に歩かれてきた。麻莉亜さんの動画を見て、実際に皆さんに歩いてほしい」と呼びかける。
後編は、湯浅町をたち、田辺市までを歩く。道中、海岸沿いの道を歩き「千里王子」(みなべ町)を訪れる。
※コメント内の紀伊路の説明を修正しました(2024年1月16日10時40分)。