パッチワーク・キルト作家の故・出原美智子さん回顧展「Memory(メモリー)」が3月12日、「Gallery&Cafe AQUA(ギャラリーアンドカフェアクア)」(和歌山市満屋)で始まる。
出原さんは1952(昭和27)年和歌山県生まれ。学生時代には現代アートに興味を持ち、作品の制作に取り組んだ。高校家庭科の非常勤講師を務める傍ら、2000(平成12)年ごろから、パッチワーク・キルトなど手芸作品の制作、イベントやコンテストへの出品を精力的に行ってきた。2008(平成20)年、2009(平成21)年、2011(平成23)年には「インターナショナル・キルトウィーク横浜」で最優秀賞に輝いた。
2021年にがんが見つかり、パッチワーク制作を断念。2年8カ月続いた闘病生活中には、家族の助けを借り、過去のキルト作品を写真などと組み合わせ、新たな作品作りに挑戦した。「よつばのクローバー」「はるママ」「Milk」「おかん」の作家名で、和歌山県内のクラフトイベントやギャラリーなどに出展した。出原さんは2023年8月に参加した「かまどの下の灰までgallery」(元博労町)の企画展中に亡くなった。
出原さんの長男で同展を企画した漆芸作家の直武さんは「母の作品は、母自身のふとよみがえる『記憶』から生まれているようだ。残されたパッチワーク・キルト、手芸作品、アート作品をぜひ見にきてほしい」と話す。
開催時間は10時~17時。3月17日まで。