和歌山市立伏虎中学校(和歌山市七番町)で11月9日、キャリア教育イベント「未来にワクワクできるまちの学校 未来スクール2014」が開催される。主催は和歌山県内の32の専修学校・各種学校が加盟する「和歌山県専修学校各種学校協会」(駿河町)。
文部科学省が推進するキャリア教育の定義は、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」(同省ホームページより)。職場体験や企業による出張授業などはその一環と位置付けられている。
同スクールの受講対象者は小・中・高校生。和歌山で働く大人たちが「働くこと・暮らすこと」について、自らの体験などを交えながら楽しく教えることで、社会を生き抜く力を身につける。キャッチコピーは「見たことのないお仕事を発見・体験しよう!」。40分の講座を1限目から4限目に分け、全24講座開催する。参加者は最大4つの講座を選択・受講できる。
講師を務めるのは、地元で働く大人たち。弁護士、介護福祉士、美容師、会計士、新聞記者、書店員、デザイナーといった広く認知された職業から、ファンドレイザーやコワーキングスペース管理人など多岐に亘る。
今年3月には、同協会が開催した講演会「子どもたちが”未来にわくわくする教室”をつくろう!」で福井や沖縄の事例を紹介し、和歌山でのキャリア教育の必要性を訴えた。講師陣は、参加者アンケートで協力を申し出たメンバーが中心という。
一日校長を務める山本理恵さんは「和歌山は高校卒業後に県内に残る若者が少ない。職業学校でも夢を見失う10代がいる」と危機感を募らせる。「学校と家庭以外で地域の大人と関わる機会を作ることで、さまざまな仕事があることを知ってもらうのが狙い。『なりたい自分』のイメージを作るきっかけになれば」と開催への思いを話す。
当日は講座のほかに専門学校紹介ブースも用意し、実際の授業や職業を体験できる。
今後の展望について「保護者からも『自分が和歌山の産業を知らないので子どもに教えられなかった。貴重な学びの場だ』と感謝の声をいただいた。未来スクールは今年初開催だが、来年以降も継続していきたい」と山本さん。
開催時間は10時~15時50分。参加無料。小中高生対象だが誰でも参加可。各講座の定員は30人。ウェブサイトから申し込む。