「アドベンチャーワールド」(白浜町堅田)が9月19日、フタユビナマケモノの赤ちゃんの一般公開を始めた。
白浜町のアドベンチャーワールドでフタユビナマケモノの赤ちゃんを見学する来園者
同園でフタユビナマケモノの赤ちゃんが誕生したのは初。2020年に「みさき公園」(大阪府)の閉園に伴い来園したオスと2021年に「のいち動物園」(高知県)から来園したメスの間に今年8月28日、生まれた。
出産後、母子ともに落ち着いた様子で授乳行動も見られたが、翌日29日に母が体調を崩し死んだため、人工保育に切り替えた。現在は同園のワイルドアニマルメディカルセンターで、赤ちゃんは1日に5回、人工ミルクを飲んだりソラマメやカボチャをすりつぶした離乳食を食べたりしている。1日齢の体重は640グラムで、9月27日現在855グラムまで成長した。
同園によると、フタユビナマケモノは野生下では南アメリカ北部の熱帯雨林に生息し、木の葉や木の実、新芽などを食べ、成長すると体長60~70センチ、体重4~9キロになるという。同園では、主に葉食性サル用の固形飼料を与えており、ほかの樹上生活を送る動物と異なり、四肢でぶら下がるような姿勢で生活するのが特徴。夜行性で1日のうち15~18時間ほどを木にぶら下がった状態で眠る。
富山から来園した女性は「けなげに生きているので、元気に育ってほしい。今度来たときには大きくなった姿を見られたら」と話す。大阪から来園した女性は「無防備に寝る姿が家にいる猫にそっくり。ふわふわでかわいい」と笑顔を見せる。
同園広報担当者は「人工保育の事例が少ないなかで、飼育スタッフが母親代わりに毎日丁寧に世話をしている。SNSの投稿にも反響が多く、応援の声をたくさんいただいている。ミルクを飲む時間以外はほぼ寝ているが、順調に大きくなっている。赤ちゃんの成長する様子を見られる貴重な機会なので、一緒に見守ってもらえたら」と話す。
公開時間は10時~14時。