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新宮でたいまつを投げる火祭り「佐野柱松」 豊作を祈願

害虫や病から農作物を守り、五穀豊穣を願って一斉に投げられる松明

害虫や病から農作物を守り、五穀豊穣を願って一斉に投げられる松明

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 たいまつを投げる火祭り「佐野柱松(さのはしらまつ)」が8月16日、新宮港緑地公園(新宮市佐野)で行われた。

新宮市の「佐野柱松」で行われたこどもたいまつ投げ

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 同祭は、高さ15メートルの柱に設置した籠(かご)に火の付いたたいまつを投げ込み、害虫や病から農作物を守り、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する伝統行事。1960(昭和35)年に後継者不足で一度途絶えたが、1993(平成5)年に地域を盛り上げようと地元有志が復活させた。コロナ禍で3年中止したが、祭り復活から今年で33年目を迎えた。毎年3000~4000人が来場する。

 当日は新宮を中心に活動する社会人ビッグバンド「サニーサイド・ジャズ・オーケストラ」の演奏で始まり、会場のたいまつに火をつける「火興し儀式」、チェーンソーを使って氷の彫像を作成するアイスカービング、和太鼓演奏、創作踊り、地元企業協賛の打ち上げ花火、「子どもたいまつ投げ」を行った。

 最後に、地域で歌われる「佐野木遣節」にのせて、籠の付いた「御柱(みはしら)」を立てるとたいまつ投げが始まった。柱を中心に円形に並んだ30人がたいまつを振り回し、籠を目がけて力を込め高く放り投げた。会場では、幾つものたいまつが投げ込まれ、籠に届きそうになるたびに会場から大きな歓声が上がっていた。

 同祭実行委員会の瀬古尊夫会長は「毎年6月ごろから祭りの準備を始めると、地域の人から応援の声をもらう。これから40年50年と佐野の伝統ある祭りとして続けていけるよう頑張っていきたい」と話す。

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