
和歌山市が9月29日、和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)に新たなクマを迎え入れる準備を進めていることを発表した。
同市は現在、新たなクマを迎え入れるため、築50年以上が経過し老朽化したクマ園舎の改修に向けた設計を行っている。計画では、プールや日よけ、壁、柵、寝室内のおり・扉などの更新、寝室の排水改善、据え付け型の水飲み場の設置、スロープの傾斜緩和などを行い、クマが生活しやすい環境を整える。2027年2月までに園舎完成、3月末までにクマを迎え入れる予定。
同園では1972(昭和47)年に、広さ約70平方メートル、寝室と運動場を備えたクマ園舎を建設。以来、アメリカクロクマ、ツキノワグマなど3頭のクマを飼育してきた。2024年7月に約30年間飼育していた3代目クマのツキノワグマ「ベニー」が生涯を閉じ、現在クマ園舎は空室となっている。
同市は、4代目のクマを市民と共に迎えたいと、園舎改修工事費の支援を呼びかける。10月1日から市民からの寄付の受付を始めた。クラウドファンディングサイトや同市の窓口で寄付を受け付ける。目標金額は1,000万円で、目標に達しなかった場合でも園舎改修は行うという。
和歌山城整備企画課の坂下温子さんは「ベニーがいなくなってからも、園舎をのぞいていく来園者は多い。新たなクマを迎え、これからもクマの生態や魅力を知り、人と動物の関わりなどさまざまなことを学べる場でありたい」と話す。「当園は大正時代から100年以上、市民に親しまれてきた。4代目のクマを迎え、これから先も皆さんと共に歩む動物園を目指したい」とも。