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和歌山の伊太祁曽神社で「かゆ占い」神事-今年の「お告げ」は「豊作」

1835(天保6)年に寄進された釜で煮た小豆かゆから竹筒を取り出す様子

1835(天保6)年に寄進された釜で煮た小豆かゆから竹筒を取り出す様子

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 和歌山・山東地区の伊太祁曽(いたきそ)神社(和歌山市伊太祈曽)で1月14・ 15日、伝統の「かゆ占い」神事が行われた。

かゆ占いの結果(稲苗17品種)

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 毎年1月15日に行われる「卯杖祭(うづえのまつり)」は、1年の農作物の作況を占う「かゆ占い」ほか、厄をはらう「卯杖の儀」、無病息災を願う「小豆かゆ」の3要素で構成される。同神社には今年も、占いの結果やかゆの振る舞いを求める多くの参拝者が集まりにぎわった。

 かゆ占いは、長さ30センチほどに切った竹筒の中に小豆かゆを入れ、その量を見て作物の豊作を占うもの。占いの対象は、同地区で作られる稲苗17品種と農作物14種類。1品目につき1つの竹筒を用意する。

 神事では、祝詞(のりと)を上げた神主が、あらかじめ小豆を煮た大釜の中に米と餅を「豊年万作、豊年万作」と唱(とな)えながら入れる。30分ほど火にかけてから竹筒を大釜に沈めると、どの筒にもまんべんなく小豆かゆを注いで取り出した。

 一晩供えられた竹筒は明朝5時に割られ、中の米と小豆の詰まり具合を10段階で選別する。今年は、ほとんどの筒に7割以上の小豆かゆが入っていた。炊き上がったかゆは参拝者に振る舞われ、舌鼓を打ちながら無病息災を願った。 

 「昨年も豊作と出たが、今年はさらに良かった」と話すのは、神主の奥重貴さん。重貴さんの父で宮司の重視さんは「大釜には、天保6(1835)年に寄進されたとの印があり、180年前のもの。今年と同じ『乙未』でもあり、還暦を3回迎えたようだ」とも。

 東京から参拝した50代の男性は、「大釜の記念すべき日に参列できて良かった。古い儀式が続いているのは意味があると思う。釜の歴史も感慨深い。こういう行事はいつまでも続いてほしい」と神事を見守った。

 絵馬を焼く火祭り「どんと焼き」は、強風のため17日11時に延期した。

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