和歌山城(和歌山市一番丁)が8月15日、平和を願って緑にライトアップされた。
戦後70年の節目として、19時から23時までの約4時間行った同ライトアップ。企画した和歌山ユネスコ協会は毎年、終戦記念日に和歌山紀北エリア各地の寺の鐘をつく「平和の鐘打鐘会」を開いている。1948(昭和23)年に「岡山の時鐘堂」(和歌山市吹上)から始まり、現在は全国70以上の地域で行われるようになったという。
打鐘会の始まりについて、同会事務局の稲垣隆紀さんは「時鐘堂の鐘は大坂夏の陣で使われた豊臣方の大砲から作ったと言われている。兵器から鐘に変わったことから平和の鐘と呼ばれるようになり、終戦の日に鳴らされるようになった」と話す。
同協会会長の芝本和己さんは「節目の年なので、和歌山市のシンボルである和歌山城のライトアップを考えた。緑は広島の平和記念公園で子どもたちにアンケートで選ばれた平和の色。1945年に創立した当時のユネスコのイメージカラーでもある。一人でも多くの人々の記憶に今日という日が残れば」と話す。
今年の打鐘会は県内37カ所で開催され、主催者発表の参加者数は1262人。時鐘堂には炎天下の下、約30人が列をなした。正午に1分間の黙とうをささげた参加者らは順番に鐘をついた。和歌山市内から知人と参加した女性は「来年も、再来年もこの日を忘れてはいけない。100年後も200年後も平和でないといけない」と話していた。