和歌山城(和歌山市一番丁)の紅葉渓(もみじだに)庭園でイロハモミジが色づき始め、来園者の目を楽しませている。
同庭園の広さは1272平方メートル。紀州徳川家の初代城主・頼信が西の丸御殿に築いた庭園で、内堀の一部と虎伏山の起伏を利用して設計されている。
庭園内には、堀の中に浮かぶ釣殿「鳶魚閣(えんぎょかく)」や、和佐村(現・和歌山市)出身の松下幸之助さんが1974年に寄贈した茶室「紅松庵(こうしょうあん)」がある。茶室では茶菓子と抹茶も提供する。
国の名勝にも指定される同庭園は、その名の通り四季の中で秋が「一番美しい」と評される。池に映る紅葉や茶室の中からも風情ある景色を眺めることができ、例年多くの人が記念撮影を楽しむ。近年は観光バスで訪れる外国人観光客の姿も多く見られ、さらににぎわいを見せている。
例年11月下旬から12月上旬が見頃の時期だが、今年の紅葉は例年より色づきがゆっくりだという。和歌山城整備企画課の柳雄介さんは「庭園内だけでなく、山の上に立つ和歌山城はたくさんの植物がある。みのりの秋に、秋色に彩られた和歌山城のコーディネートを楽しんでほしい」と話す。「冬場は草木も眠る季節なので花は少ないが、1月下旬以降にスイセンが咲く。足元に咲く花なので、冬も散歩を楽しみに来てもらいたい」とも。
開場は9時~17時。