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「紀州梅バーガー」仕掛け人が開発秘話 和歌経文化センター第3弾で

カワ企画室の今西さん(左)と質問する川村記者

カワ企画室の今西さん(左)と質問する川村記者

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 和歌山城近くのシェアキッチン「PLUG(プラグ)」(和歌山市万町)で11月21日、トークイベント「2年連続日本一 パンのカワ『紀州梅バーガー』仕掛人と食べる、カワのいろいろパン」が開催された。主催は、和歌山経済新聞(以下、和歌経)を運営するLoocal(ルーカル)。

紀州梅バーガーを試食する参加者たち

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 同イベントは「和歌経文化センター」の第3弾。ゲストを招き毎回異なるテーマで読者とコミュニケーションを図るトークイベント。この日は24人が参加した。

 ゲストスピーカーは「まるごと!?紀州梅バーガー」を販売する「カワ」(有田郡広川町)企画室の今西廣典さん。同社はパン職人の川良弘社長が1981年、故郷の湯浅町に「ヨーロッパのお菓子とパンの店 カワ」をオープンしたことに始まる。現在はパン専門店「パン工房カワ」を和歌山県内を中心に17店舗経営する。2011年に和歌山県農林水産部が発足した「紀州梅バーガー開発研究会」に参加し、和歌山県特産の梅を使ったパンを開発した。

 今西さんはバーガーの開発について、「ウメの取り入れ方に苦戦した。パン生地に練り込んだり、ペーストにしたりと試行錯誤したがおいしくなかった。『ウメそのものの食感』が重要だと気付き、塩分を3分の1に押さえて甘みと酸味を生かした梅干しを丸ごとサンドした」と明かす。

 完成したバーガーをご当地バーガーとして育てていきたいと考えた同社は、ご当地バーガーの祭典「とっとりバーガーフェスタ2014」に初出展。同イベントは、通常のレギュラーサイズとハーフサイズの2種類のバーガーを販売し、来場者の投票と審査員の評価で順位を決める。

 「最終発表では、10位から発表されてなかなか名前が呼ばれなかったので、11位だと思って帰ろうとした」というエピソードに、参加者から笑い声がこぼれた。「1位で名前を呼ばれた時にはびっくりして呆然してしまい、主催者から『リアクションが薄い』と注意された」と苦笑い。

 今年は自信をつけ、2連覇を狙って出場。1人でも多くの来場者に食べてもらえるようにと販売数も増やした。「普段どおりというコンセプトで、バーガーも変えず、店頭と同じように制服を着ていつも通りの営業を心掛けた」と、今西さん。この作戦が功を奏し、来場者投票で大きな支持を得て2連覇を果たした。

 受賞後の反響については、「当社では422円のパンは高額だが、ヒット商品になった。優勝したことで、和歌山のご当地バーガーとして地元の人たちに認めてもらえたのでは」と今西さん。今後について、「3連覇を狙うかどうかは決めていないが、地元のみなさんに長く愛されるような商品開発をしていきたい」とも。

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