和歌山・湯浅警察署近くの谷井農園(有田郡湯浅町栖原)社長の谷井康人さんが2月29日、「奇跡のみかん農園」を刊行した。発行元はSBクリエイティブ(東京都港区)。
書店に並ぶ「奇跡のみかん農園」(TSUTAYA WAY ガーデンパーク和歌山店)
同社は農園と工場の衛生管理を徹底し、毎日業務終了後に2時間の清掃を続けたことが認められ、2015年に日本そうじ協会が主催する「掃除大賞」で農林水産大臣賞を受賞した。2016年も「ハイクオリティ賞」に輝き2年連続受賞した。谷井さんは「自社の徹底した衛生管理が、掃除大賞という形で認められたことが非常にうれしい。今回の書籍で掃除大賞を多くの人に知っていただくきっかけになれば」と話す。
谷井さんは家族経営の農園の3代目。約30年前に農作物の個人通販を開始した。「当時はまだ宅配便もあまり普及していなかった」と当時を振り返る。10年前からはミカンジュースを外資系ホテルに卸すなど、6次産業の分野で早くからビジネスを展開した。
「1キロ10円のみかんを240倍の値段に」と、同書の帯にある通りの成功を収めた。同書には農家としての仕事から、ジュースへの挑戦、谷井農園の掃除の流儀などを自ら記したという。
谷井さんは「タイトルだけを見ると、農業書のように感じられるかもしれないが、中身はビジネス書であり、実は掃除の指南書としても使える。農業やビジネスという枠に捕らわれず、物事の考え方の本質に気付くことができる本だ。多くの人に読んでいただきたい」と呼び掛ける。
3月19日は、和歌山市内の書店「TSUTAYA WAY ガーデンパーク和歌山店」(松江)で14時30分から、書籍購入者を対象に発売記念トークイベントを開く。「多くの人にお会いしたい。ジュースの試飲も用意している」と呼び掛ける。
価格は1,512円。