和歌山城の動物園で「ベニー」がお目覚め タケノコ食べて元気な姿披露

大きなあくびをするベニー

大きなあくびをするベニー

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 和歌山公園動物園(和歌山市一番丁)で3月25日、動物園長のベニーが冬眠から覚めた。

器用に皮をむきながらタケノコを食べるベニー

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 ベニーは1994年に来園した雌のツキノワグマ。毎年気温が下がる1月中旬から3月下旬まで冬眠している。今年の冬は例年より約20日早い12月28日に冬眠に入り、3カ月ぶりに元気な姿を見せた。

 同園では1972(昭和47)年にクマの飼育を始め、ベニーはアメリカクロクマ、初代ツキノワグマに続く3代目。野生のアメリカクロクマやツキノワグマは餌が少なくなる冬に冬眠に入る。動物園のクマは寒い地方でも通年展示が普通だが、同園では歴代のクマを冬眠させている。40年以上前から野生の生活サイクルに合わせてクマを冬眠させる飼育は珍しいという。

 当日は9時ちょうどに寝室の扉が開けられ、ゆっくりと姿を現したベニー。大きなあくびをした後、運動場へ続く坂道をゆっくり上り始めた。道の途中に置かれたタケノコを見つけると、匂いを嗅いで様子を見た後、皮を器用にむきながら食べた。

 飼育員の森敏充さんは「冬眠中は通常よりも餌が少なめとはいえ運動しないので、冬眠明けは体重が増加する。今年は食欲を見ながら餌の量や回数を調節して与えたので、冬眠明けもあまり太らずに済んだ」と話す。「タケノコは春の風物詩。旬のものを食べて、今年も元気に過ごしてほしい」とも。

 孫を連れて園内を散歩していた男性は「近所に住んでいて動物園は散歩コース。ベニーの冬眠明けも毎年見に来ている。ベニーが起きると春が来たと思う」と笑顔を見せていた。

 同園では4月10日まで、桜まつりを開催している。森さんは「桜と併せてベニーにも会いに来てほしい」と呼び掛ける。

 開園時間は9時~17時。入園無料。

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