南海電鉄和歌山市駅近くのデザイン会社「ワイズプロス」(和歌山市小野町1、TEL 073-424-2992)が5月9日、フリーペーパー「Owned media(オウンドメディア)」を創刊した。発行部数は2000部。
1989年創業の同社。社長の西脇章次さんと専務の樫山泰大さんがチラシなどの制作業を始めた。現在は5人の従業員とともに、広告や印刷物、Webサイト、ロゴマークなどの制作コンサルティングから、取材を伴った記事の編集などを行っている。
同冊子は自主制作メディア第1号。オウンドメディアは、企業が自社で所有するメディアのことで、企業が主にウェブでのマーケティングに利用するブログメディアを指すケースが多い。同社は通常、クライアントからの依頼を受け、顧客のニーズに合わせてデザインを行っているため、あえて誌名を「オウンドメディア」にしたという。
「『デザイン事務所って何をするところですか』とよく聞かれるので、会社案内や名刺の代わりとなるようなフリーペーパーを作ろうと思った。普通の会社案内を作るのでは面白くないので、自分たちの好きなことを好きなように表現した」と樫山さん。
社内会議を開き、創刊号の特集テーマはスタッフが大好きなビールに決定した。創刊号の表紙は、「Beer? Beer Beer!」の文字をメインコピーに使った。
樫山さんは「取材をはじめ、紙面で紹介した薫製作りもオフィスで行った。薫製のおつまみはおいしくできたが、ビル中に臭いがまん延して苦情がきてしまった」と話す。「なかなか意識しづらいかもしれないが、デザインは日常生活の至る場所に存在する。冊子全体のデザインをはじめ、イラストや書体作りもデザイナーの仕事。この冊子で私たちができることが伝われば」とも。
「今後は取材テーマに楽しいものを選び、年2回くらい発行できれば」と意気込む。
シェアキッチン「PLUG」とコワーキングスペース「コンセント」(以上、万町)で配布、今後は「オークフーズ」の経営する店舗で配布を予定している。