高野山金剛峯寺周辺で6月14日・15日、「青葉まつり」前夜祭と本祭が行われた。
高野山真言宗の開祖・弘法大師空海の降誕(こうたん)を祝う6月15日に合わせ毎年開いている同祭。主催は、高野山奉賛会と町内会。
本祭当日は、高野町内にある小・中・高校、高野山大学、商工会、青年団などが参加し、大師教会で朝から宗祖降誕会の法要を行った後、正午から花御堂渡御、稚児行列、大師音頭の行列が町内を練り歩き祭りを盛り上げた。
「高野ねぶた」とも呼ばれる前夜祭では、手作りのねぶたとともに商工会青年部約70人が4時間かけて町内を練り歩いた。ねぶたは40日前から制作を始めたもので、空海を模したもの、摩竭魚(まかつぎょ)、ゆるキャラ「こうやくん」など7種を披露した。会場では、和太鼓演奏、夜店出店などもありにぎわいを見せた。
前夜祭実行委員長の小林章義さんは「前夜祭は降誕祭を盛り上げようと、商工会青年部が30年くらい前から始めたもの。毎年、新作のねぶたを発表するが、昨年は開創1200年で忙しく断念したため、今年こそはと気合を入れ新作を完成させた」と話す。
「今までのねぶたは青森の影響を受けた大きなものだったが、今年は弘法大師の座った姿と壇上伽藍(がらん)の大塔や池、橋、雲で、現実世界と大師の世界を表現し、高野山らしい風景を演出できた」と笑顔を見せていた。