和歌山市・ぶらくり丁近くの商業施設「フォルテワジマ」(和歌山市本町2、TEL 073-427-0411)で7月24日、有田市在住の写真家・照井四郎さんの写真展「熊本地震 発生一カ月の記録」が始まった。
照井さんは1948(昭和23)年秋田県横手市生まれ。1970(昭和45)年に和歌山県有田市に移住し、写真館を営みながら写真家として活動している。代表作に、高島炭坑の運命をカメラで追い続けた記録集「地底の炎は消えた~三菱高島炭礦閉山記録~」(1988年)、川の自然と人々の暮らしに目を向けた「紀の国の川」(1992年)など。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災では発生翌日から現地で野宿しながら記録。2011年3月11日の東日本大震災や同年9月の紀伊半島豪雨などの災害現場も記録している。
今回の熊本地震では、発生から約1カ月後の5月15日に現地入りしたという。そこから4日間で益城町や南阿蘇地方、熊本城などを撮影。毎回撮影時に持参するカセットレコーダーを使い、被災者の声も録り続けた。撮影枚数は4日間で約4000枚。今回の写真展では約70枚を展示している。
照井さんは「発生から約1カ月半で、現地の様子を伝える報道はピタリと止まった。しかし、現在も被災地では写真に記録されたような生活は変わらず、今もまだ余震に震える日々が続いている。南海トラフ地震もいつ発生するか分からない今、この展示を見て少しでも防災の意識を高めてほしい」と話す。
会期中の7月30日13時からは照井さんによるギャラリートークを開催。「自分自身が『なぜ写真を撮るのか』をテーマに話をしたい。ぜひ聴きに来てほしい」と来場を呼び掛ける。
展示時間は10時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。8月2日まで。会場では被災地への寄付金も受け付けている。