海南市国道42号線沿いの日本庭園「琴ノ浦温山荘園」(海南市船尾、TEL 073-482-0201)で10月1日、音楽会「秋の遊宴 in 琴ノ浦温山荘園2016」が開催される。
同園は新田帯革製造所(現・ニッタ)の創業者新田長次郎によって大正時代から昭和時代にかけて作られた迎賓館と庭園。当時活躍した建築家の木子七郎(きごしちろう)が主屋を設計。作庭は武者小路千家の名代であった木津宋泉(きずそうせん)が指導。開園した当時は皇族や桂太郎、東郷平八郎、秋山好古などが訪れ、同園の名称は東郷平八郎が命名したといわれている。2010年に庭園が国の名勝に、建築が重要文化財に指定された。広さは1万8000坪。
園長の田中紀生さんは「建築も庭園も大正から昭和の最高峰のもの。開園当時は著名人が数ヶ月ゆっくり滞在する事もあったと聞いている。全国に4カ所しかない潮入式池泉回遊庭園(しおいりしきちせんかいゆうていえん)で、淡水と海水が混じり合った汽水なので、ボラやハゼ、ウナギなどが見られる。6月~8月には関西では珍しいカワツルモの花が咲く」と話す。
音楽会のステージは本館の南側の芝生エリア。出演アーティストはジャズシンガーの神前理恵さん、ギタリストの金谷幸三さん、二胡や三線、琵琶とギター&ベースの競演「あるふ かつあん&ルーサー」など3組。海南市指定無形民俗文化財の「黒江つつてん踊り」も披露する。
「音楽会はこれまでも開催してきたが、今回は初めて参加費・入園料・駐車場を全て無料にした。地元の人もこの機会に足を運んでほしい。ゆったりと音楽と空間を楽しんで」と田中さん。
開催時間は「つつてん踊り」が13時~15時30分、音楽会は15時30分~18時。参加無料。