和歌山市小野町の国登録有形文化財・旧西本組本社ビルにあるレンタルスペース「Space2410」(和歌山市小野町3)で11月10日、備前焼作家・藤田祥さんの個展「‐結 musubi-」が始まった。
藤田さんは和歌山市出身。18歳から和歌山市の陶芸家・川崎泰明さん、中村実さんの指導の下、陶芸の道に入った。その後、備前(岡山県)で修業を積み2004年に独立。精力的な制作・展示活動を続けている。2003年岡山県美術展入選、第23回・26回田部美術館「茶の湯の造形展」入選(2006年、2009年)。「備前焼陶友会」で唯一の和歌山県出身作家だ。
藤田さんは「この場所は28歳の時に初めて個展を開いてから、6年連続で展示をさせていただいている大切な場所。展示タイトルの『結』には、展示を通じてたくさんの方たちとの結んだきずなへの思いを込めている」と話す。
「今年、この場所での展示をきっかけに出会った女性と結ばれ、現在妻のおなかのなかには新しい命を授かっている。その経緯が作品にも無意識で反映され、自身の作品のエッジが磨かれ丸みを帯びたフォームが増えてきたように感じる。以前から、昔からある古備前と、自身で好んで作成していたモダンな備前焼作品とを融合させていきたいと考えていたが、今回の展示では、ちょうど融合の過渡期を見る事ができる貴重な展示になったのでは」とも。
13日には、茶人ユニット「ヒラノケ」とのコラボレーションイベント「ヒラノケの茶席at『藤田祥の備前焼展‐結musubi-』」も開催する。茶席は10時~17時、参加費500円。
開催時間は9時~18時。入場無料。11月20日まで。