和歌山・西浜の国指定名勝「養翠園(ようすいえん)」(和歌山市西浜)でカキツバタの花が見頃を迎え、来園者の目を楽しませている。
同園は紀州徳川第10代藩主・徳川治宝(はるとみ)公が、清遊・接待の場として1818(文政元)年から約8年かけて造成したとされる大名庭園。約7千坪の敷地面積の半分は海水を取り入れた潮入り池で、全国的に珍しい。
同園のカキツバタは約530株。江戸時代後期から明治時代の画家・河合小梅が書いた「小梅日記」にも登場する。
園主の藤井清さんは「カキツバタがいつ植えられたかは分からないが、江戸時代から当園に咲いている花。最近はあまり花が咲かなかったが、昨年、土を入れ替えて今年は約5年ぶりに満開になった」と話す。「今年は開花が遅かったので、ちゃんと咲いてくれるか心配したが、きれいな花を付けてくれてホッとした。連休中に見頃を迎え、多くの来園者に楽しんでいただけた。5月の中旬ごろまでは見られるので、ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。
開園時間は、4月1日~8月31日=9時~18時、9月1日~3月31日=9時~17時、1月1日=11時~17時。入園料は、大人(中学生以上)=600円、小人(小学生以下)=300円。