クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」で先行予約販売中の「glafit(グラフィット)バイク」が6月27日現在、7,500万円を超える支援を集めている。企画・販売は、自動車関連用品の開発製造販売や自動車輸出などを手掛ける「ファイントレーディングジャパン」(和歌山市出島)。
折り畳んで軽自動車の荷台に積載した「glafitバイク GFR-01」
グラフィットバイクは折り畳み式の電動ハイブリッドバイク。後輪に搭載したモーターによる電動走行、ペダルをこぐことで自走するほか、両方を組み合わせてペダルをこぐとモーターも駆動するハイブリッドモードの3モードがある。道路交通法上は原動機付自転車になり、運転免許証の携帯とヘルメットの着用が必要。ウインカーやテールランプ、ナンバープレート、ディスクブレーキなどを搭載しながら、折り畳むことで軽自動車にも積める。重さ18キログラム。1回の充電で約45キロメートルを走行できる。定価は約15万円。
同社は5月30日に目標額300万円でクラウドファンディングを開始。わずか3時間で目標金額を達成し、3日間で405台(約4,700万円分)が予約され「売り切れ状態」になった。追加を希望する声に応え、6月12日に595台を追加。その後、さらに200台以上が予約購入され、プロジェクトの累計金額は7,000万円を突破した。
同社社長の鳴海禎造さんは36歳。10代で衣類やPCを扱う個人事業を始め、20歳で自動車関連のビジネスをスタートした。25歳で同社を設立し、和歌山市のほか東京と中国に拠点を持ち、自動車関連部品の開発・製造・販売、自動車の輸出を手掛ける。年商は約5億円。
鳴海さんは「『トヨタ』『ホンダ』のような、日本を代表する次世代乗り物メーカーを目指している。グラフィットバイクは、東京の人がバイクの置き場に苦労すると聞いて駐輪場に置けるよう設計した。和歌山の人には『バイクだと代行が呼べないのでアルコールが飲めなかったが、これなら帰りはタクシーに積める』と喜んでもらえた」と笑顔を見せる。「クラウドファンディングにはテストマーケティングとして参加したが、予想以上の反響に驚いた。支援者はほぼ男性で、40代を中心に高齢者まで幅広い世代かつ、全国各地からサポートいただいている」と話す。
3日間で4,000万円の資金調達は同サービス最速で、業界でも異例の速さだという。追加リターンが完売すれば1億2,000万円を超え、日本のクラウドファンディング史上最高額になる見通しだ。
マクアケ代表の中山亮太郎さんは「スタートアップが東京に集中している中、和歌山の経営者が先端プロダクトを生み出したことは日本にとって明るい話題。ものづくりで地方勢の活躍が顕著になってきた。グラフィットは眠れる日本の目覚めを感じさせてくれた」と話す。
鳴海さんは「支援者には、いち早く商品をお届けする予定なので、交通ルールを守り規範となって、今度はこの新しい乗り物を広める『支援者』になってほしい」と呼び掛ける。
プロジェクトは8月30日まで。