和歌山城近くのコワーキングスペース「LUIDA(ルイーダ)」(和歌山市十二番丁)で8月12日、体験型起業プログラム「Startup Weekend Wakayama(スタートアップウィークエンドワカヤマ)」の最終プレゼンテーションが行われた。
8月10日から3日間にわたり行った同プログラム。2007年に米コロラド州で始まり、日本各地で開催している。和歌山では3月に続き2回目。「新しい価値を作り出す」をテーマに、ビジネスアイデアの事業化に14人の参加者が臨んだ。
参加者は初日に発表したそれぞれのビジネスアイデアから3つ選び、グループに分かれて事業計画を検討。それぞれ調査を行い、事業計画を作成。2日目にコーチの「早和果樹園」社長・秋谷新吾さん、「Design NAP」代表・藤戸佐千世さん、「ファイントレーディングジャパン」社長・鳴海禎造さんからアドバイスを受け、3日目にそれぞれの事業計画を発表した。
12日は審査員と見学者、報道陣らの前で3つのチームが事業計画を発表した。「困っている人がいることを客観的に証明できたか」「困っている人に対して課題解決となっているか」「課題を解決することで収益を生み出すことができるか」などを基準に審査を行った。
審査員は、「農業総合研究所」社長の及川智正さん、「セキュリティーフォーユー」社長の原亮介さん、「紀陽ビジネスセンター」センター長の藤井康栄さん。審査員は「着眼点はいい」「独自性がある」など褒めながらも、「客単価が低い」「客層が絞り込めていない」「法律的な問題はないか」など厳しい指摘も次々と投げ掛けた。
最優秀賞は子どもが自分のやりたいことを見つけ実現するのを応援する塾「子ども起業スクール」が受賞した。そのほか、アイデアを生み出すときの行動パターンを分析・把握しアイデアを生み出しやすい行動を提案するスマートフォン用アプリや、空き地を移動式小型住宅「タイニーハウス」で隠れ家カフェにする計画が発表された。
初めて参加した信州大学の学生で和歌山市出身の古谷翔太郎さんは「帰省中に後輩の勧めで参加した。経済学を学んでいるが、現役の経営者と本気で意見を交わせたことは貴重な経験になった」と話す。「『議論ばかりしないように』と注意されていたが、ついつい本気で議論してしまった。この暑さはきっと夏のせいじゃない」と笑顔を見せる。
審査員の藤井さんは「アイデアはもちろん、グループでの議論も大切。こんな風にディスカッションできる場はとても貴重だ。起業する人はぜひ参加してほしい」と話す。
同プログラムは今後、年2回の開催を予定する。