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地酒「車坂」の酒かすでフィナンシェ 和歌山・岩出の洋菓子店が新商品

成瀬さん(左)と母の君子さん(中央)、先代から店に立つ看板娘のちぐりさん

成瀬さん(左)と母の君子さん(中央)、先代から店に立つ看板娘のちぐりさん

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 岩出駅前の洋菓子店「T‐NARUSE(ティーナルセ)」(岩出市清水、TEL 0736-62-2750)が現在、「吉村秀雄商店」(畑毛)の酒かすを使ったフィナンシェ「車坂」を販売している。経営はナルセ(同)。

カフェとしても利用できる店内は地元の人々の憩いの場になっている

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 店主の成瀬武弘さんは紀の川市出身。同店は祖父の代に菓子業を始め今年で創業80年を迎えた。「老舗であっても進化が必要」と感じていた成瀬さんは店を代表するような新たな商品を開発したいと、同市に蔵を構える「吉村秀雄商店」の日本酒に着目、酒かすを使った焼き菓子を開発した。

 フランスの伝統的な焼き菓子フィナンシェは、アーモンドプードルに卵白、砂糖、バターなどを混ぜて作る。同店では和歌山県産の卵「うめたまご」を使う。 

 5月に販売を始めてから、全国菓子大博覧会で金賞を受賞した「想い手マドレーヌ」や「レモンケーキ」などの主力商品と肩を並べるほどに成長した。特に30代男性の支持を得ているという。

 紀の川市在住の60代男性は「体質的にお酒は苦手だが、日本酒の芳醇(ほうじゅん)な香りを楽しめた。和歌山の魅力が詰まった菓子なので県外への手土産にしたい」と話す。

 成瀬さんは「酒かすが持つ水分が日本人の好む『しっとり』とした食感を表現するのにぴったりだった。半年以上試行錯誤を繰り返して、酒かすの香りと食感を楽しめるフィナンシェを作り上げた」と太鼓判を押す。「子どもの頃から両親が朝早くから夜遅くまで働く姿を見て育った。父親から受け継いだ焼き菓子の技をさらに磨いていきたい」と意気込む。

 価格は1個180円。営業時間は、岩出店=9時~20時30分・火曜定休、打田店=10時~19時・水曜定休。

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