株式会社ウフル(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:園田 崇史、以下ウフル)が参画する「すさみスマートシティ推進コンソーシアム」は、経済産業省が主導する「学びと社会の在り方改革推進事業(「未来の教室」実証事業)」を実施し、成果報告を行いました。本実証事業では、ウフルを代表者として、地域を超えた「学びのサード・プレイス」の創出に取り組み、持続可能な社会教育の場の構築を目指しました。
報告書はこちら(経済産業省「未来の教室」HP):
https://www.learning-innovation.go.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/susami_seikahoukoku.pdf?250501
本実証事業は、地域を超えた「学びのサード・プレイス」をテーマに、価値創造を担い実社会で活躍できる人材の育成を目的とし、産官学の連携による社会教育の場の創出を目指しました。学校のみならず、企業や団体がそれぞれの活動地域を越えて協力し、テクノロジーの活用や多様な人材・組織との交流を通じて、子どもたちが学べる環境を提供することで、持続可能な社会教育の新たなモデルを検証しました。
実証事業「南紀熊野AIデザイン部」概要
本実証事業では、実証タイトルを「南紀熊野AIデザイン部」と名付け、産官学連携のもと、和歌山県すさみ町と白浜町の中学生を対象に、AIを活用したデザインカリキュラムを提供しました。
具体的には、和歌山県の地場産業である縫製産業とAI技術を掛け合わせ、子どもたちは地元南紀熊野地域の魅力を表現したデザインを考案し、オリジナルの服飾を制作。テクノロジーとモノづくりを通じて地域の魅力を再発見しながら、自ら発信する力を養いました。
画像:左上から、生成AIの活用方法を学ぶ様子、服飾の製造工程を学ぶ様子、生成AIのリスクと可能性を学ぶ様子、実際に生成AIを使ってデザインをする様子
産官学連携には、和歌山県西牟婁郡のすさみ町と白浜町の両自治体、教育機関(白浜中学校、すさみ中学校、学校法人上田学園 上田安子服飾専門学校)、地元の企業・団体(株式会社ヤマヨテクスタイル、株式会社アワーズ、ドルフィン白浜自立支援センターなど)、そして民間企業(ソフトバンク株式会社、ウフル)が参加しています。
実証事業の成果
画像左:参加した子どもたちが制作した作品/右:参加した子どもたち
- 地域を超えた「学びのサード・プレイス」の創出自治体や学校、様々な企業や団体との連携により、地域を越えた学びの場の有効性を確認しました。教育支援においては「地域貢献」や「つながりの構築」が重視される傾向が明らかになりました。
- 生成AIを活用した地域の魅力発信
生成AIを用いたデザイン学習により、子どもたちが地域の魅力を言語化し、創造的に表現する力を育成しました。フィールドワークや地元企業との交流を通じて、地域への理解や貢献意欲が高まり、学びへの満足度も非常に高い結果となりました。
- 持続可能な運営手法の検証
制作した成果物には一定の需要があり、観光地での展開やふるさと納税を活用した販路の可能性が見えました。また、地域全体で支える持続的な運営スキームの構築に向けた手応えを得ました。
地域を超えた「学びのサード・プレイス」の実現には、自治体、学校、企業、各種団体など多様な主体による連携が不可欠であることが明らかとなりました。また、ふるさと納税やクラウドファンディング等を活用した資金調達の仕組みの構築、ならびに地域外からの人的支援を受け入れる体制の整備が、持続可能な運営モデルの確立に向けて重要であることもわかりました。ウフルは今回の実証事業で得た知見をもとに、教育プログラムの継続と拡充を見据え、企業や地域団体との連携をさらに深めるとともに、他地域への展開も視野に入れたカリキュラムの柔軟な設計も検討していきます。
経済産業省の事業名 令和6年度「学びと社会の在り方改革推進事業(「未来の教室」実証事業)」
ウフルは2018年10月に和歌山県に拠点を設置し、テクノロジーを活用し和歌山県内の地域課題解決を推進してきました。現在は和歌山を中心に全国約40の自治体のDX化支援を行っております。今後もDX支援で培った経験をもとに、スマートシティ化に向けた全体設計やサービスアプリケーション、データ・サービス連携基盤の提供に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献いたします。
■「未来の教室」とは https://www.learning-innovation.go.jp/about/
経済産業省は「『未来の教室』ビジョン(2019年6月)」の実現を念頭に、様々な個性の子ども達が、未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)になるための学習環境づくりを目指し、1.学びの探究化・STEAM化、2.学びの自律化・個別最適化、3.新しい学習基盤づくりを柱に、2018年度より実証事業に取り組んでいます。
■「学びのサード・プレイス」とは
家庭(ファースト・プレイス)や学校・職場(セカンド・プレイス)でもない、居心地の良い、学びが生まれる「第3の場所」を示す言葉。「未来の教室」実証事業では、子ども一人ひとりが持つ多様な個性・才能・創造性を一層伸ばし、住んでいる場所や家庭環境に左右されることなく、誰もが容易にアクセスできるような、探究心や研究心を育む多様な民間教育の場を示す言葉として使用されています。
■すさみスマートシティ推進コンソーシアムとは
すさみスマートシティ推進コンソーシアムは、令和3年8月にすさみ町を含む7団体によって発足し、和歌山県すさみ町のスマートシティ化を推進しています。防災や観光情報の発信、高齢化や人口減少といった地域課題に取り組み、持続可能な地域社会の実現を目指しています。
■株式会社ウフルについて:https://uhuru.co.jp/
ウフルは「テクノロジーと自由な発想で、持続可能な社会を創る」を理念として、企業や社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)とデータ活用を支援・推進しています。クラウドサービスの導入と運用をはじめ、コンサルティングやシステム開発等を自社製品やソリューションとともに、エッジからクラウドまでワンストップで提供しています。また、企業活動の枠を超えて、地域や産業のDXを実現するために、スマートシティやスマートサプライチェーンに必要とされる、信頼できるデータ流通のための仕組みの導入と標準化に向けた提言を行いながら、IoT×ブロックチェーン領域における研究開発にも取り組んでいます。