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和歌山・紀美野町にシェアスペース「くらとくり」-大正時代の米蔵を改装

紀美野町の「くらとくり」外観

紀美野町の「くらとくり」外観

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 和歌山・紀美野町の県道4号線沿いに、米蔵を改装したシェアスペース「くらとくり」(紀美野町西野、TEL 073-499-5580)がオープンして2カ月がたった。運営は「マルイチ農園」。

「もみのき食堂」のランチ

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 大正13年に建てられたという米蔵は、もともと志賀野農業協同組合が所有し、取り壊しの計画が進められていた。隣に事務所があった同農園が「何とか生かしたい」と、4年前に土地と米蔵を合わせて購入。13代園主の姉である北裕子さんが中心となって「米蔵プロジェクト」を推進し、2年かけてリノベーションした。建坪は約15坪。敷地面積は約54坪。

 北さんは「とてもよい雰囲気の蔵だとずっと思っていた。空海がたどったといわれる道『高野往来』のそばにあり、歴史も感じる。解体されるのはあまりにもったいないと思った」と振り返る。「たくさんの人から蔵を残した方がよいと励まされ、助言をいただいた。おかげさまで何とかここまで来られた」とも。

 野菜ソムリエの最上位資格「シニアソムリエ」を持つ北さんは、「農や食に深い思いがある。このフリースペースが、農業や食事の大切さを伝えていく場所になれば。今は週末のみの営業だが、今後はイベントやワークショップの開催なども考えたい」と抱負を語る。

 同スペース内には菜食レストランとコーヒースタンドが出店している。「The Stand」で自家焙煎(ばいせん)のコーヒーや手作りのお菓子を提供する神谷健さんは「たまたま紀美野に縁があり、すごくよいところなので何かやりたいと考えた。自宅近くにカフェをオープンさせたが、それでもここに通いたいと思わせる何かがある」と笑う。

 紀美野町の食材を使って菜食ランチを提供する「もみのき食堂」の又野寛さんは、「農的な暮らしにあこがれて、大阪から引っ越してきた。マルイチ農園で農業研修中に米蔵を知り、8年前から作り続けてきた菜食を出す食堂を開くことに。ここは農の象徴のような場所。暮らしを豊かにする刺激を与え、与えられる場になっていければ」と将来を見据える。

 「The Stand」のメニューは「コーヒー」(Mサイズ=350円、Lサイズ=450円)、「ミルクコーヒー」(Mサイズ=420円、Lサイズ500円)、「マフィン」(200円)など。

 「もみのき食堂」のメニューは「ランチ・おやつなし」(1000円)、「ランチ・おやつあり」(1200円)。

 営業時間は10時30分~17時、土曜・日曜のみの営業。レストランは11時30分~16時(要予約)。駐車場は8台分。

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