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和歌山・ビッグ愛で人権啓発イベント 和歌山信愛大の学生が企画・運営

第1部で好きなファッションに身を包み、トークセッションに参加する登壇者

第1部で好きなファッションに身を包み、トークセッションに参加する登壇者

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 人権啓発イベント「自分の好きを放とう ファッションショー&講演会」が9月23日、和歌山ビッグ愛(和歌山市手平1)で開催された。和歌山県、和歌山県人権啓発センター(手平2)、和歌山信愛大学(住吉町)の共催。

人権啓発イベント「自分の好きを放とう ファッションショー&講演会」第1部のファッションショーの様子

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 同イベントは男らしさ・女らしさにとらわれず、誰もが自分らしく生きるために考え、多様性を感じるきっかけをつくることが目的。同大学の学生が企画・運営に取り組んだ。当日は68人が来場した。

 第1部は、同大学4年の小薮佑大さんが司会を務め、学生や性的マイノリティー当事者合わせて5人が「自分らしくいられる服装」をテーマにファッションショーとトークセッションを行った。登壇者は、服装のコンセプトと選んだ理由を話し、好きな服装で表現する上で困っていることなどについて、「男物と女物の売り場が別々なので、抵抗がある。一つのフロアになってほしい」「ぎょっとする目で見られることがある」「らしくない服装だと周りからジャッジされるとモヤモヤする」「自分らしさを放つにはまだ障害がある社会」 などの意見を述べた。

 第2部は、セクシュアルマイノリティーの支援や理解を広める活動に取り組むNPO法人「チーム紀伊水道」理事長の倉嶋麻理奈さんが「『自分を放つため』に必要な受容について」をテーマに、アンケート結果やデータの紹介を交え、講演した。倉嶋さんによると、性的マイノリティーの割合は約3パーセントから10パーセントで、人口の5%と仮定すると和歌山県では約4万5000人になるという。講演では、他者からの不快な冗談やからかいなどが原因で自己受容ができず、自殺念慮を持つ人の割合が高くなること、同性婚や戸籍上の性別変更の違憲裁判、法制度など社会の受容などについて話した。「職場での受け入れを進めるには特に地元企業の経営者の意識改革が必要。まずは社員の話をじっくり聞いてほしい」と倉嶋さん。

 同大学4年の西隆弥さんは「当初男女で衣装を逆にする案があったが、それだと性別二元性にとらわれていて、趣旨からずれる。『自分の好き』を性別関係なく表現することを大事にした。これまで気付かなかった価値観や発見があった。今回、関わってくれた人や来場者などたくさんの人にこの気付きが浸透していってほしい」と話す。

 10月19日にも同大学の学生は、人権啓発イベント「性のあり方はグラデーション パートナーシップ宣誓制度」を和歌山ビッグ愛で開催する。

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