学ぶ・知る

和歌山県立自然博物館でニホンオオカミの展示 野生動物との暮らし考える企画も

絶滅したニホンオオカミの剥製

絶滅したニホンオオカミの剥製

  • 2

  •  

 収蔵資料企画展示「絶滅した大型肉食動物ニホンオオカミ」が1月4日から、和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で行われている。

300年前の和歌山の里山を再現したジオラマで生態系を考える体験展示

[広告]

 ニホンオオカミは、1905(明治 38)年に奈良県南部で捕獲されてから記録がなく、絶滅種に指定された。剥製は世界で5体が現存し、国内では同館と国立科学博物館、東京大学が所蔵する。期間中、和歌山大学教育学部から寄託され、収蔵するニホンオオカミの剥製と頭骨レプリカ、頭骨模型を展示する。

 今回新たに、ゲーム感覚でヒトと野生動物の関わりを学べる体験展示「『ニホンオオカミが生きていた時代のヒトや野生動物の暮らし』を考える」を企画した。森林や棚田、人がよく使う道など、300年前の和歌山の里山を同館スタッフがジオラマで再現。来館者は、ヒトやニホンオオカミ、タヌキ、カモシカなど野生動物が描かれた紙札を、生息環境に合わせジオラマに配置し、それぞれの生き物になったつもりで、移動や食事などの生活を3日分記録する。どんな暮らしをしたか書いた用紙を貼り出し、他の参加者の用紙も見ることで生態系について考える。

 担当学芸員の佐々木歩さんは「第2展示室では未就学児が触れられるものが少ないと意見があった。手作りで作れるもので、未就学児も学べるものを作ろうと考え、人形遊びの感覚で体験できる展示を企画した。体験の記録用紙には『ニホンオオカミに食べられた』など、皆さんがなり切って3日間過ごしてくれたことが分かる報告もあった。親子で一緒に体験してもらえれば」と話す。

 開催時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は480円(65歳以上、高校生以下無料)。2月2日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース