
和歌山市消防団広報デザイン部が2月3日、活動を始めた。
広報デザイン部第1回ミーティングに集まったメンバー(写真提供=和歌山市消防局)
同部は、和歌山市消防団42分団の団員約1500人から、動画制作経験者やSNS・広報に興味のある10代~50代の16人で結成するクラブチーム。消防団には、災害での活動や訓練、地域の防災活動などを行う基本団員のほか、ある分野に特化して活動する機能別消防団員の2種類があり、広報デザイン部は基本団員ながら広報に特化した活動もできるハイブリッド組織。和歌山市消防局によると、基本団員が分団の垣根を越えて集まり、特定の目的のために活動するクラブチーム発足は全国で初という。
主な活動は、各部員が消防団PR動画を企画・制作し、和歌山市消防団公式SNS(インスタグラム、ユーチューブ、ティックトック)で発信する。動画投稿日は市民防火の日である毎月1日・15日の月2回。2025年度は16回以上の動画投稿を計画する。
貴志分団に所属する平山利恵部長によると、日頃の活動中に「消防団はどんな活動をしているのか」「女性が入ってもいいのか」など質問されることが多く、もっと消防団の活動を知ってもらいたい、若い人にも興味を持ってもらいたいと同部を創設したという。
同部で活動する和歌山大学の学生は「消防団の人たちからは『自分の地域は自分で守る』という地元愛を強く感じる。消防団の活動が地域を知るきっかけになり、貴重な経験になった。同じ世代の団員を増やし、もっと交流したい」と話す。
平山部長は「消防団は特別な人ではなく、会社員、自営業者、学生など、普通の人たち。各地域で研修や防火防災の集い、消防訓練、消防車の展示など、さまざまな活動を通じて経験が積めるので、気軽に参加してほしい」と話す。
同市消防局消防総務課の榎本真也消防司令は「全国的に団員が減っている中で、団員の声で生まれたクラブチームに大いに期待している。幅広い世代の柔軟な発想で面白いものができたら」と期待を寄せる。