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和歌山・ドクターヘリ格納庫が完成 悪天候時も県内待機が可能に

格納庫前から離陸するドクターヘリ

格納庫前から離陸するドクターヘリ

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 和歌山県の救急医療用ヘリコプター(通称=ドクターヘリ)の格納庫と給油施設の運用が11月14日、「コスモパーク加太」(和歌山市加太)で始まった。

紀州材を約800本使った格納庫の内部

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 格納庫は県消防学校に隣接する災害時の広域搬送拠点に建設され、広さは402平方メートル。直径20センチ、長さ4メートルの紀州材を約800本使う。給油施設の貯蔵量は3万リットルで、大規模災害時に救援に来たヘリコプター5機が2日間活動できることを想定する。整備費は約4.7億円。

 通常は県立医科大学付属病院(紀三井寺)の屋上で待機するドクターヘリは、台風など荒天が予測される場合は神戸空港まで避難を必要としていた。パイロットによると、風速15メートル以上では運行できず、避難のタイミング予測も難しいという。格納庫の設置により県内待機を実現し、ドクターヘリの活動時間増加を見込む。

 県は救命率の向上や後遺症軽減などを目的に、2003(平成15)年から県立医科大学付属病院を基地病院に医師・看護師が搭乗するドクターヘリを運用する。機体は山間部でも降りられる小型のエアバスH135を採用。3月までの累計運行回数は7540回。紀伊半島を網羅する半径100キロメートル圏内が活動範囲で、最も遠い紀伊大島まで約25分で到着する。

 14日の竣工(しゅんこう)式には仁坂吉伸県知事や尾崎要二県議会議長らが出席。尾花正啓和歌山市長は「早期治療は健康のためになくてはならない。大規模災害時の拠点としても高台に建設されており安心。一つの拠点ができて心強い」とあいさつした。

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