
「稲むらの火」をモチーフにしたキャラクター「いなむー」が4月1日、広川町の公式マスコットキャラクターになった。
1854(安政元)年に旧広村(現在の広川町)で発生した大津波の際に、同町出身の濱口梧陵が稲むらに火を付けて住民に避難を呼びかけ、多くの村民が救われた故事「稲むらの火」をモチーフにした同キャラクター。防災頭巾や名札、もんぺ、草履など昔の避難時の格好をモチーフに、稲むらを模したスモックを着ている子どもの設定。日本遺産「百世の安堵」案内キャラクターとして2018(平成30)年に誕生した。廣八幡宮(広川町上中野)は御朱印やお守りに同キャラクターをあしらっている。
同町企画政策課の池田祥治さんによると、町内の地域交流施設や市民団体などがチラシや飾り付けなどに使うなど、町民の認知度が高まってきたことから町公式PRキャラクターに位置付けた。既存デザインを基にさまざまな媒体で使えるようデザインガイドマニュアルなどを整備し、町のホームページで公開した。「いなむーは職員が描いた鉛筆画が原案。少しずつ町民に広まり、今ではすっかり子どもたちにも人気のキャラクターになった」と話す。
池田さんは「早速、名刺に使いたいと申請があった。個人利用は申請不要なので、どんどん使って広川町をPRしてほしい」と呼びかける「広川町には公式キャラクターがおらず、ゆるキャラなどが集まる催しでは歯がゆい思いをしてきた。着ぐるみなども作り、イベントでも活躍させたい。たくさんの人にかわいがってもらえたら」とも。