
「二河(にこう)の火祭り」が8月23日、JR湯川駅近くの三光山金剛寺(那智勝浦町二河)で行われた。
火の付いたたいまつを手に山を登る 「二河の火祭り」の参加者たち
1510(永正7)年、金剛院裏山の「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」に祭った霊を供養するため始まったとされる同祭。毎年8月23日に行っており、同祭保存会の会員と準会員が白装束を身にまとい、行事に参加している。
当日は、10代から50代までの15人が参加。本堂前に集まった後、両手に持ったたいまつに火を移し、山を駆け上がった。その後、同山にある目神八幡神社の社前にある鉄塔目がけて勢いよくたいまつを投げる行事を行った。たいまつが空を舞うと火の粉が舞い散り、見守る人たちから歓声が上がった。
寺の境内では露店販売や菓子投げが行われ、本堂ではビンゴゲームが開かれ、地域の家族連れでにぎわった。
祭りに参加した会員の男性は「子どものころからこの祭りに参加している。この白装束を着てたいまつを投げるようになってから15年ほどたつ。毎年、この祭りを楽しみにしている」と笑顔を見せる。
同保存会の大江政典会長は「祭りに使うたいまつは毎年冬に山に入り、適した木材を探している。7月から地域の人たちと準備を始めている。祭り当日は参加できなくても準備に協力してくれる人など、さまざまな人の協力で祭りが継続できている。これからも伝統ある祭りを守っていきたい」と話す。