和歌山県内で捕獲したイノシシやシカ肉のジビエ料理を提供する「わかやまジビエフェスタ2025-2026」が12月1日、県内88の飲食店や宿泊施設で始まった。主催は和歌山県。
きいちゃん食堂で提供する「ジビエキーマカレー&ジビエコロッケ サラダ付き」
県内で捕獲したイノシシとシカを地域の食資源として活用し、地域振興につなげる「わかやまジビエ需要拡大事業」の一環。2011(平成23)年に始まり今年で15回目。
県によると、2024年度の県内鳥獣害による農作物被害総額は約2億4,700万円。捕獲頭数はイノシシとシカを合わせて2万7515頭。そのうち、処理施設で処理を行い「わかやまジビエ」として流通した頭数は2084頭にとどまる。県は安全で安心なジビエを提供するため「わかやまジビエ処理施設衛生管理認証制度」を推進している。
参加店は飲食店のほか、ホテル・民宿、道の駅など。各店がカレーや鍋料理、ハンバーガー、パスタ、ランチメニューやコース料理の一品としてジビエ料理を提供する。
新たにモバイルスタンプラリーを開催し市民の参加を促す。スマートフォンから会員登録を行い、参加店で飲食や商品購入をするとデジタルスタンプを集めることができ、1口から応募ができる。抽選で参加店の宿泊券や皮革のIDケース、ジビエ商品の詰め合わせを進呈する。
11月29日にはわかやまジビエフェスタ15周年記念キックオフイベント「おいしさいっぱい祭」を開催。芸能人を招いたトークショーやシカ肉ソーセージの試食会を行った。12月1日は県庁食堂でイノシシ肉を使ったジビエキーマのミニカレーの試食会も実施。来年1月17日には海南サクアス(海南市下津町小南)、2月14日には南紀の台Yottette広場(上富田町南紀の台)で、ジビエ料理の販売とPRイベントを予定する。
県畜産課の高橋康喜さんは「ジビエは山で取れる貴重な地域資源。食べる量が増えれば、捕獲数と処理数も増え、農産物被害の軽減につながる。どんどん食べてもらいたい」と話す。「保健所の許可を受けた処理施設で適切に処理された肉を食材にして、県内各地の料理人たちが自慢の腕を振るう。この機会にさまざまなジビエ料理を味わってもらえれば」と呼びかける。
2026年2月28日まで。