多目的ホール「べっちんさん100年ホール」(TEL 073-488-8505、海南市黒江)が12月19日、紀州漆器伝統産業会館うるわし館近くにオープンした。経営は舞台幕製造販売会社「ナカヤマ」(大阪市西区)。
2021年に移転した旧紀陽銀行海南支店の、鉄骨鉄筋コンクリート造2階建ての建物を改装した同施設。延べ床面積は約500平方メートル。創業63年目に入る同社が、100年続く企業を目指し、100年愛されるホールになってほしいと願いを込め、命名した。
ホールには、紀州産のヒノキ材で作った幅約12メートル、奥行き約6メートルの舞台を設置。同社製の緞帳(どんちょう)、一文字幕、袖幕、引割幕、ホリゾント幕など本格的な舞台幕6種類とスクリーンを備える。客席は可動式で最大120席。音響設備やプロジェクター、グランドピアノ、ドラムセット、アンプ、シンセサイザーなどを備える。そのほか、ATMコーナー跡はロビーに、格子扉が残る金庫室を舞台袖の控室にした。2階には和室や大鏡を備えた楽屋兼多目的室を設け、演者が客席を通らずに舞台へ移動できる動線を確保する。
中山一会長は黒江出身。2019年には黒江地区の旧岩橋家住宅建物を保存活用し、郷土料理「早なれ寿司(ずし)」を提供する古民家カフェ「べっちんさん」をオープンした。同カフェに隣接する銀行跡地を取得し、舞台幕のノウハウを生かしたホールの開設を決めた。
中山会長は「黒江地区の新たな文化発信拠点を目指す。人を呼び込み、地域を活性化したい。落語からクラシックコンサート、バンド演奏などさまざまなイベントに対応する。ここから羽ばたくエンターテイナーが生まれるような、夢のある場所に育てていきたい」と話す。オーボエ奏者でもある中山房子社長は「演者目線で使いやすさにこだわった。自分の経験を生かし、音響設計にも力を入れた。長く愛される場所にしたい」と意気込む。
営業時間は9時~21時。予約制。