和歌山・JR紀三井寺駅に8月30日、IC乗車券が利用できる自動改札機が設置された。
9月26日から始まる「紀の国わかやま国体・大会」に合わせて設置したもの。JR紀勢本線(きのくに線)の宮前駅、紀三井寺駅、黒江駅、海南駅で「ICOCA(イコカ)」などのIC乗車券で乗降できるようになった。
同線沿線には、紀三井寺公園陸上競技場や和歌山ビッグホエール、武道・体育センター和歌山ビッグウエーブなどの国体の競技会場がある。県内外からの観戦者や応援者が便利にスムーズに利用できるよう、ICカード利用の準備が進められていた。
実行委員会によると、国体開会式会場最寄り駅の紀三井寺駅には2000人の利用者が見込まれる。JR西日本和歌山支社の道本隆文さんは「開会式の前後では、紀三井寺駅1日利用者数約2倍の利用者が移動する。大変な混雑が予想されるため、臨時列車の運行と駅員の増員で乗客の安全確保に努める」と話す。
公共交通を研究する和歌山大学講師の西川一弘さんは「これまで県外から海南方面へ来た人からは、IC乗車券で降車できず困っているという声が多数あった。国体を機に、県外からの来場者にサービスを向上させることになる」と話す。「ICカードの利用が広がることで、ビッグデータの集積やビジネスチャンスの拡大にもつながるのでは」とも。
同社ではICエリア拡大を記念し、和歌山~海南駅でICOCA(イコカ)のIC定期券購入者に駅名が入った記念品を進呈している。準備数が無くなり次第終了。