有田川町立田殿小学校(有田郡有田川町井口)で9月27日、まちづくりフォーラム「GIRLS,STAND UP,SPEAK UP,THUMB UP! ガールズトークからまちづくりがスタートする」が開かれた。主催は有田川町。
ワークショップの最中も伊勢谷さんは会場を歩き回り参加者とコミュニケーションをとった
同フォーラムは「暮らして楽しい街」を合言葉に、地元の若手が進める特別プロジェクト「地方創生有田川2040」の一環。今年7月には米・オレゴン州ポートランド市からゲストを招きフォーラム「有田川という未来」を開催。第2弾となる今回は「女子会」をテーマに、20~39歳の女性100人が参加した。
この日は地方創生政策アドバイザー有井安仁さんが、有田川町の現状と課題を説明。「若者・女性の視点で暮らしたくなる街を一緒に作ろう」と呼び掛け、ゲストの伊勢谷友介さんと村松一さんにマイクを譲った。
伊勢谷さんは俳優・映画監督として活躍する傍ら、2008年に環境・社会問題に取り組む「リバースプロジェクト」を結成。地方都市の課題解決にも積極的に関わっている。有井さんと共にポートランドを視察し、今回のゲスト参加につながったという。
伊勢谷さんは「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか。それを命を使って実行する」と力強く宣言。地球規模で起こっている環境問題や、自分たちの活動について語る話の合間には、「今の世界の人口は?」「オーガニックコットンってどんなものですか?」などと来場者に問い掛け、「考えてください。調べてみましょう」と参加を促す場面も。村松さんは、那須塩原市(栃木県)がポートランドをモデルにした住民参加型のまちづくりなど、他都市の事例を紹介しながら市民が参画する方法をレクチャーした。
3人目のゲストとして登場した石本ゆりさんは、和歌山市で主宰する女子会の活動を紹介。石本さんにならい、後半は参加者同士が輪になって話すワークショップを開いた。女性の視点で、「おしゃれ」「かわいい」「楽しい」といったまちづくりのアイデアについて意見交換を行った。
閉会時には、今後もこの女子会を進めるメンバーを募集した。伊勢谷さんが「誰でも始めはやったことないもの。挑戦することで、今までできなかったことができるようになる。成長は僕が保証する」と後押しした。「有田川町を散策してみて自然や景観が気に入った。次は川下りに来ようかな」と話し、会場を活気づけた。
中山正隆町長も会場に駆け付け、「ついさっきは敬老会であいさつをしてきたので、この会場の若さと元気にびっくりしている。住民からの提案をともに実現したい。町としてもこの女子会をバックアップしていく」と話した。
有田川町在住の女性は「参加しようと思ったきっかけは伊勢谷友介さん。とても賢くて熱い人だった。勇気をもらった」と笑顔を見せる。別の参加女性は「伊勢谷さんを目当てに参加したが、街をよくしたいと思っている同世代の女性に会えてうれしかった。みんなで協力すれば何かできる気がした」と興奮気味に話していた。
「地方創生有田川2040」プロジェクトは今後もリバースプロジェクトと連携し、まちづくり女子会を継続するという。次回開催は10月12日の予定。