和歌山市役所近くの「ミートビル」(和歌山市卜半町)に、新店舗が続々と入居する見通しとなった。
昨年11月にオープンした雑貨店「ニューヨークストレージ」店内
同ビルは1975(昭和50)年、食肉協同組合が肉の共同仕入れや冷蔵保存などのために建設。ほかにも食肉関連業者が入居したが、景気の後退などの影響で業者の退去が続き、3階建てのビルは1階に同組合と和歌山県衛生食肉会館協同組合の事務所のみになっていた。2015年11月に開かれた市主催の「第3回リノベーションスクール@Wakayama」で対象物件となり、現在は受講生らの協力もあって継続的に改修。まちづくり会社「紀州まちづくり舎」が賃貸支援を行う形で、ビル全体のリノベーションが進められている。
1階にあった事務所は2階へ移転。昨年6月、1階にステーキ弁当専門店「cafe29(カフェニク)」がオープンしたのを皮切りに、10月には、アメリカ直輸入服飾店「New York Storage(ニューヨークストレージ)」が開店した。1階テナントは全て契約が終わり、開店準備が進められている。肉料理店のほか、紀州まちづくり舎が焼き肉店を経営するという。
同社取締役の山本賢治さんは「たこ焼き店や整骨院からも入居の問い合わせを頂いたが、「肉」のイメージにそぐわないのでお断りした。雑貨店については悩んだが、『アメリカ=肉』という連想もあったので入居をOKした」と笑う。「ビルの歴史と名前、水辺という立地などを生かしてまちづくりの拠点にしていきたい。肉の発信地ながら、若い人が買い物や食事を楽しめる、新しい価値をもったビルになれば」と話す。