「ジストシネマ和歌山」(和歌山市松江)で7月11日、「くじらの博物館」(東牟婁郡太地町太地)を舞台に撮影された映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」の舞台あいさつが行われた。
同作品は、くじらの博物館を舞台に人間とクジラの交流と奮闘を描いた青春映画。和歌山市出身のプロデューサー・前田和紀さんが、同館のクジラショーを知ったことをきっかけに制作した。ストーリーは実話を基に、登場人物も実在する人物をモデルにした。太地町を主な舞台に、新宮市、串本町、那智勝浦町などが登場し、全て和歌山県内で撮影したという。
当日は、和歌山市内を中心にエキストラや制作に関わった行政や観光協会の関係者が集まり、飼育員役の矢野聖人さん、武田梨奈さん、学芸員役の岡本玲さん、主題歌を担当した清水理子さん、監督の藤原知之さんが舞台あいさつを行った。
藤原監督は「一軒家に住んで、毎日博物館に通う中で、太地町の人たちが自分たちの街を舞台に物語が作られるのがうれしいと言ってくれたことが後押しとなった。クジラのアドリブシーンがかなりあったが、お互いの信頼関係ができてきてこちらの思いをくみ取ってクジラが泳いでくれて、うまく撮れたときは楽しかった」と話す。
前田さんは「メインキャストは出身地に関係なく、純粋に役に見合う人を探した。博物館の人たちは東京や京都など全国から来ている。みんな『本気だから来ました』という人ばかりですてきだった」と話す。「和歌山が先行上映なので、まず県内の人に見ていただきたい。和歌山から全国へ発信する形になればうれしい」とも。
和歌山市在住の20代女性は「和歌山の人のやさしさが表現されていた。漁師のおじいちゃんの雰囲気が家族みたいで、地元愛にあふれていた。クジラショーのシーンは、拍手したくなるくらいダイナミックで感動した。太地町もくじらの博物館も行ったことがないけれど、とても行きたくなった。改めて和歌山の良さを知ることができた」と笑顔を見せる。
公開は、和歌山県=10月12日~、全国=11月3日~。