「Kisssh-Kissssssh(きしゅ~きしゅ~)映画祭」が9月21日~23日、和歌山市加太で開催された。
2013年に始まり今年で6回目を迎えた同イベント。21日の前夜祭では、同地区の語り部と歩く会場巡りツアーや、上田慎一郎監督のKisssh-Kissssssh映画祭入選作品「テイク8」など過去作品の上映などを行った。22日~23日の日中には、同地区の5会場で約20作品を上映、夜間はメイン会場の「加太北の浜公園」(通称くじら公園)で「カメラを止めるな!」など4作品を野外上映した。映画祭には監督やキャストなど映画関係者約25人も参加し、トークイベントなどを行った。
今回から「インディペンデント作品」と名称を改めた自主制作映画のコンペティションには、国内外から200作品以上の応募があった。2日間、各会場で10の入選作品を上映し、来場者の投票で決めたグランプリなどを2日目の野外上映会場で発表した。
短編映画部門は「いきうつし」(田中晴菜監督)、長編映画部門は「あくまのきゅうさい」(三重野広帆監督)がそれぞれグランプリを受賞。最優秀主演男優賞には鈴木博之さん(「あくまのきゅうさい」)、女優賞には永井樹里さん(吉田麻希監督「パンクロックベイビー」)が選ばれた。
田中監督は「選ばれてとてもうれしい。4回の上映全てで舞台あいさつし、観客のみなさんとコミュニケーションを取れて良かった。加太がとても気に入ったので、ぜひ撮影しに戻ってきたい」とあいさつした。三重野監督は「グランプリと主演男優賞をいただき、作品が評価されたことがとてもうれしい。撮影当時は大学4年生だった。9歳から80歳までの幅広い年齢層の出演者に指示するなど大変なことがあったが、努力が報われた」話した。
実行委員長の小川貴央さんは「今年は天気に恵まれ、たくさんの方にお越しいただいた。加太のノスタルジックな町中を散策しながら、あまり見る機会がないインディペンデント映画を楽しんでいただいて、面白さも知ってもらえたと思う」と話す。「月と星が輝く、野外上映には、2日間で450人の観客が集まった。屋外なので寝転がってみるなど、思い思いの映画鑑賞スタイルがあり、会場には笑い声が響き、まるで音楽ライブのように観客同士の共有感がありとてもうれしかった」とも。
グランプリ受賞作品は11月11日、「田辺・弁慶映画祭」で上映する。