「年越しサバ」が12月31日、有田川町で販売される。
2006年に吉備、金屋、清水の3町が合併した同町。東部の清水地域は、棚田百選の「あらぎ島」や「ぶどう山椒」の産地として知られる。海に面していない同町だが、特に尾岩坂以東の山間部では、年の瀬に「年越しソバ」ではなく、塩出ししたサバを焼き、一人で一尾丸ごと食べる「年越しサバ」の文化が定着している。
同町文化協会清水支部の今井敏郎さんは「年越しサバの起源は定かではないが、山間地域では新鮮な魚が手に入らず、日持ちする塩サバを焼く風習ができたのではないか。丸ごと一尾食べるのはこの時だけなので、新たな気持ちで新年を迎える印象がある。年越しの風習として残していければ」と話す。
10年前から年越しサバを販売するヤマト二澤商店店主の二澤宣夫さんは「以前は各家庭で焼いていたが、最近では焼いた物を買う人が多く、昨年は約100尾の注文があった。当店のサバは竹串に刺して炭火で2~3時間かけて焼き上げるため、脂を逃がさず、時間がたってもおいしい。年越しといえばサバ。炭火で焼いたサバにかぶりついて新年を迎えてほしい」と呼び掛ける。
ヤマト二澤商店(清水)や谷窪商店(二川)、Kマート金屋口店(徳田)などで販売する。